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2007-09-25
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ネットの感想

無し

カスタマーレビュー

世界を読み解く (くまくま/2008-08-16)
 非常に読みづらい。ページを開いてしばらく読んで抱く感想はそれだ。SFとファンタジーをないまぜにした様な世界観であるにもかかわらず、ちっともそれが説明されないことがその理由の一つだろう。
 月瞳族、月歯族、弓瞳族などという登場者たちの種族から、動物的特徴を備えた人間的生物が住まう世界であることは分かる。剣の国、財貨の国などから、いくつかの社会集団が形成されていることは分かる。ところが、これを読み下すとなると、決闘許可証(=ドックタグ)、財貨(=デナーリ)、世界を穿孔せよ(=デュルヒ・ブレッヒェン)などと様々な言語でのルビが振られていて、何がなんだか分からない。
 しかし、主人公が自らの理を求める過程を追いながら、とりあえず最後まで読んでみると、何となく分かった様な気分になってくる。まるで、物理学者がいまここにある世界から物理法則を読み解くように、考古学者が遺物から過去の事象を推測するように、少しずつ、少しずつ、物語の世界が自分の中で出来上がっていく。
 だからこれは、世界を創造するための物語。この先にどんなお話が作られるのかは誰も知らない。
冲方 丁の恥ずかしい過去 (caspar/2008-06-06)
4巻末尾にある作者後書きが全てを物語るというか、凡そ作家たるものこのくらいの暴挙を通すくらいの図太さが無ければ、異才とは呼ばれないんだろうという程度の異色作。

違う言い方をすると、どうせ文学的地平の限界を試すならジョイスとベケットから始めればいいんじゃね? とも思えるけれど、書いちゃったものは仕方無い。寧ろ発表時の上下二巻合計6090円也、という如何にもマニア向けな体裁の方が、この作品の形としては真っ当でしょう。これをわざわざ文庫にしちゃうのはどうなんだろう。

話としては、合理的に解釈しようなんてしちゃいけないという約束にまず読者が同意出来るかどうかからスタート。領土欲でも物欲でも名誉欲でも無くただ単に己を証すため、という甚だ不謹慎な理由で剣と魔法に訴えるイカれた戦士たち。そんな荒唐無稽が通るのもこれが誰かの夢の中にも似た箱庭遊園地の中の物語だから。従って最初から最後までリアルな動機は出て来ず、そもそも必要と看做されていない。大変パワフルなメタ小説という評価は出来るけど、その割には大事なプロットが英語のアナグラム頼みだったり突然シラーの「歓喜に寄す」におもねったり、妙に卑近なんだよなあ。まあイメージと言葉の力に酔える読者であれば幸せ。
ただ、主人公が何処までも真っ直ぐなので、読後は元気になるという効能はありますね。
今最も続きが気になる作品。 (くっきー/2008-01-04)
面白さでは★5つですが、読みやすさという点で★を一つ引かせてもらいました。

作者の密度の濃い世界を絞り込んだような作品です。
世界観がひどく独特な上、主人公が違和感と感じない点は当たり前の出来事として描かれていくので、(たとえば鉄にユリ科など植物の属性があることや、魚や動物は花とよばれるなど)慣れるまで少し戸惑いを覚えます。

しかし、戦闘シーンの緊迫感と迫力、そして読者を何ページも引っ張る流れは本当に面白いです。また、言葉遊びが多く、あーこれはこういういみなんだという発見をする楽しみがあります。キャラクターの魅力も百点満点。

わからないというもやもや感を気にせずに先に読みすすむことができる人にはお勧めです。
不思議な世界観に引き込まれる (ポロロッカ/2007-10-27)
00年刊行の単行本を4冊に分冊,その1冊目になります.

剣と魔法の世界を舞台にしたファンタジ作品になるのですが,
舞台や登場する種族,またアイテムもとてもよく練られていて,
その不思議な世界観には,あっという間に引き込まれていきます.

それを補足する『ルビ』の多さは,やや読みづらくはあるものの,
その一句一句がとても印象的で,慣れればそれほど気になりません.
また,著者の初期の作品とのことですが,その割には粗さも目立たず,
むしろ,これで初期かと,その内容の濃さにおどろかされてしまいます.

分冊,しかも1冊目のため,文字どおり『はじまり』の位置づけですが,
中盤からの『見せ場』では胸が躍り,しっかりと満足させてくれますし,
1冊目としてこの世界を『おさらい』するにもよかったのではと思います.

イラストがないため,これらの世界が『見えづらい』部分はありますが,
そのぶん,いろいろとイメージをふくらませて読むことが楽しくなります.

主人公の出自やこの世界のことなど,まだわからないことばかりで,
少しの含みを持たせて締めるラストも,つづきを気にさせてくれます.
待っていた (飛鳥/2007-09-22)
「蒼穹のファフナー」、「マルドゥック・スクランブル」等で知られる冲方氏の作品です。
ハードカバーのこの本はすでに販売されておらず、図書館にでも行かないと読めないでしょうね。かくいう私も図書館組です。
なのでこの文庫化は非常に嬉しいものです。いやもう、やっとうちの本棚にベルが来てくれます。いやっほう!

上記の作品から入ったかたは、まず世界に驚かされるでしょう。剣と魔法です。機械なんて影も形もありません。
しかし、冲方印の言葉遊びは変わらず。「愚者」をザ・ナッシング、「疑うもの」をクエスティオンなど、見事なまでの変換がされています。
1000Pあまりの大作、それでいてスピーディーな展開は、ついつい次のページをめくらせ、いつの間にか時間が過ぎてしまいます。

ただし難点が無いわけでもない。スピーディー過ぎて付いていけないときがあるのです。それを差し引いても☆4、心の中では4,5といったところです。


次は「微睡のセフィロト」、でればいいなぁ・・・

追伸、ベルの絵がイメージとちょっと違う。
ちと幼すぎやしないか?

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